大阪桃谷でプロが教える少人数制の和食料理教室です。

プロが料理するちょっとしたコツ、そのひと手間が、料理を劇的に変えています。

2008年5月アーカイブ

講師の中野龍一です。

今日は「使いまわし」について。

これについてはもう言語道断で、物を言う気にもなれません。
そこで働く料理人たちも、自分の価値を自分で落としていることを分かっているはずです。いくら上の命令であっても「こんな店辞めた」と言えない事が情けないです。それぞれ生活があるだろうし、物を言う立場にない若い人もいるでしょう。目をつぶってさえいれば、ネームバリューの上にキャリアもついてくると考える人もいるでしょう。

私は経営者に対しては何も言うことはありません。

私はあくまで料理人に言いたい。
それも、これから料理人を目指す若い人に。

料理を作る腕というのは店やホテルの名前が上げてくれるものではありません。大事なのはどんな料理長(通称おやっさん、又はおやじと呼ばれます)に就くかということです。技術を身につけたいなら、本当に料理のプロになりたいのなら、自分を身軽にしておくことです。そして良いおやじを探すことです。私はその点では非常に恵まれていました。

私が見習いの頃の話です。

そのホテルでも、宴会や懐石料理の残り物が毎日大量に返ってきていました。もちろん手付かずの料理もありました。
洗い場のおばさん達が手付かずの料理を集めていたのを見て、

私は「それ、どうするの?」と尋ねました。

すると「後で食べるの。お弁当のおかずにもなるし」

という返事が返ってきました。

当時まだ十代だった私はお腹が減っているし、
(僕も食べよう)と思って、手を伸ばしたところに
兄貴分とおやじが通りかかり

「お前、何やってる?」と言われ

「腹が減っているので・・・」と言うと

料理人たるもの客の残り物に手を出すんじゃない

と、やさしく教えてくれました。

でも僕は納得できず「では洗い場の方は?」と聞くと

「洗い場は料理人じゃないだろう」

と言って、二人はそのままお風呂に行ってしまいました。

私のおやじは「自分が口に出来ないものを客に出すな」が口癖でした。

このエピソードからも分かっていただけると思うのですが、
客の食べ残しを次の客に出すなどと考えるのは、絶対に料理人では無いと思っています。経営者だからこそ考えることだと思います。
ノーと言えなかった料理人にも責任はあると思いますが・・・。

最後に、飲食店を利用をする皆様に言っておきたいことがあります。

美味しいものを、汗水たらした貴重なお金を使って食べに行くのですから、有名なお店、有名なホテル、有名な地域というのではなく、美味しいものを作る料理人がいる店を探すことです。ネームバリューや創業何年という看板に惑わされず、自分の足、自分の舌で探してみてください。料理を作っているのは看板ではなく、人であることをお忘れにならないように。
講師の中野龍一です。

このところ世間を騒がせていた船場吉兆の事件について、
プロの職人であった私が思うこと。

今回は食品の偽装について。

これは、私に言わせれば吉兆だけの問題ではなく、もっと大きな視野で見るべき問題です。農林水産省とその官僚、その枝の業者にいい加減にしろ!と言いたい。
北朝鮮産のアサリを日本海産だと表示したり、静岡で収穫されていないものでも静岡産だと表示したり(もちろんメロンのこと)。
これは北朝鮮のアサリがまずいとか、静岡以外のメロンの味が落ちるということを言っているのではありません。
襟を正すべきは、それを監督する省だということ。
国民を欺くのは、国の正しい姿勢ではありません。

マスコミが「どこどこの産地が良い」などと言った事を信じきっている国民を欺く、流通や業者を取り締まるべきです。

国民にしても、産地ではなく自分の舌で判断していく時代にきています。

対処法としては、
信用のおける魚屋、八百屋、果物屋を見つけ、地域社会でそれらの業者を盛り上げ、悪い品物にはハッキリ文句を言い、業者の生活の基盤を支えているのは私たちだと自覚しましょう

それらを多くの人が実践することで、食の安全も図れるのではないでしょうか。

私は食材との対話が美味しい料理を作るコツだと言っています。
それには、食材を売っている業者に聞ける環境を作る事だと思います。

プロであっても、聞いたことはあっても見たことのない魚や山菜など沢山あるものです。

調理師というのは、食の橋渡しをする立場にあります。
だからこそ、偽装はやってはいけない。そう思います。

しかし、船場吉兆だけでなく、8割程度は何らかの偽装をやっているのが今の現実ではないかと感じています。

次回は「使いまわし」について。
日本全国の和食党の皆様、こんにちは!

大阪発、和食専門の料理教室【和食の教室 なかの】です。

この5月よりプロの調理師による和食の料理教室をはじめました。

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